近江西国観音霊場

古代より東国、西国、北国をつなぐ重要な地理的条件に位置する滋賀県は、素晴らしい文化が発展し、数多くの歴史的遺産が残されてきました。近江の文化を知ることは日本の歴史を理解することにもつながってくると思います。今では観光見学は勿論ですが、心の豊かさを求め、自然や歴史に触れ、文化を味わおうとして訪れる人々に、安らぎを与えてくれrのが「湖と歴史の国」近江の国です。

近江西国33ヶ所のいわれ

今から1200年程前、大和長谷寺の開祖徳道上人によって始められた西国33ヶ所霊場は明治初年頃までは交通の便が悪く、その巡礼もなかなか容易なことではありません。その為、身近な霊場で参拝できるよう、「移し巡礼」といって全国各地に○○西国とか○○巡礼と称するものができました。 この近江西国札所もこのような動機から始められ、石山寺の鷲尾隆輝貫長によりますと、その起源は、400年前にさかのぼるといわれ、再び世に出るご尽力をされたのです。近江西国札所を訪ね歩く時、多くの寺院は大和、奈良、平安朝の頃に開基建立され、いずれも一千有余年の歴史をもつ、由緒ある名刹で重要文化財も多く、中世の戦国動乱期、天台宗寺院から禅宗寺院に改宗し,栄枯盛衰の中、いまも随所に多くの面影が漂っています。( 湖国と文化 No.74 冬の号 ”特集 旅と信仰” より )

 

”びわ湖に祈りを求めて”

終戦後、復興を追い求め経済成長を遂げた今日、忍び寄る環境汚染そして青少年の希薄さに憂える社会情勢となってきました。経済的豊かさの中で、今私たちがもとめているものは、心の安らぎではないでしょうか? 各地では、昔の事や物が再認識されてきたり、伝統文化や食の安全を見直し、又癒しを求める旅に出たり、心のよりどころが見直されるようになってきました。この度の県の”指針”にあえて、素朴ながら心やすまる近江西国札所の復活を提案したいとおもいます。幸いにして、県内には神社仏閣が京都、奈良についで多いといわれています。西国霊場になぞらえて作られたという”近江西国33ヶ所札所(霊場)”は、びわ湖周辺に点在し、どの寺も1000年以上の文化や歴史を秘める古刹です。又近年、108の煩悩を県内の湖北、湖南、湖東、湖西の四地域に分けて、それぞれ”湖北名刹27ヶ寺霊場”が結束されて来ました。

古来、神社仏閣、人が住む所には必ず名水や霊水と称する興味深い伝説や秘話があります。特に「近江を制すものは天下を制す」といわれ、乱世の戦場と化したにも関わらず、地域の人々の熱き信仰に守られ護持されてきているのが現状です。 今や、心身ともに健康を求め自然と向きあい、人と人のふれあい、また地域の歴史や文化のロマンを求めて旅する人々が多くなってきました。 びわ湖周辺の古き良き仏閣や文化財を保護しながら詣でる時、県内各地の名所旧跡、そして安心安全の食文化ー各地の郷土料理ーを紹介していくことへの努力。

近江西国33ヶ所札所(霊場)、湖北(湖西、湖東、湖南)名刹27ヶ寺霊場は、遠来よりの参拝者に…日帰り、又滞在型を繰り返す近江路への旅,心の拠りどころとして将来へも続く観光への旅…のお誘いとして、推奨したいと思います。

 

追記

21世紀は『環境』の世紀とモ言われます。少し位不便でも、その方が心地よく思える価値観、古くから先人が育んできた暮らしの生活観を、今の時代に呼び起こす「真の豊かさ」とは何かを問い直す。青少年の健全育成を目ざす次世代へ、又高齢者の高額医療のあり方に健康へのいざない、手を合わすことの大切さ、人や物を大切にする思いやりの心を育みつなげていける近江の観音霊場でありたいと思います。

(滋賀県商業観光振興課 ……県の観光振興の進展に向けて、長期的な視点で、今あるものを再現し、新しい活路を見据えた方向づけ=指針として提案 2008 3 31)